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zoom RSS リストとジュネーブ

<<   作成日時 : 2011/05/22 22:52   >>

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リスト生誕200年、第2弾。  ジュネーブとリストのお話。

21歳の若きF.リストは、マリー・ダグー伯爵夫人と出会い、彼女とともにパリを離れ、1835年11月から1836年の10月までジュネーブに滞在し、開校したばかりのジュネーブ音楽院で教鞭をとりました。この間に娘のブランディーヌが生まれましたが、貴族が結婚後に恋愛をすることをタブーとされなかったこの時代でも、子どもをもうけることは異例のことだったそうです。

余談ですが、リストは教育に関して常に無料でレッスンを行っていました。ですから、ジュネーブ音楽院設立の手助けをした後、音楽院から謝礼はもらっていないそうです。“天才は社会のために尽くす”ということを実践したのですが、まあ、8年間で約1000回のリサイタルをこなした人ですからねぇ。


彼らは、ジュネーブ旧市街のはずれに居を構えました。そこは、私の住んでいたカルチエ(地区)から歩いても7,8分のところで、普段からよく通るところでした。そのアパルトマンのある狭い一角は、現在フランツ・リスト広場と名付けられています。この辺りはリトミックを発展させたダルクローズ通りがあったり、美術館があったりと、ちょっと“アートな”界隈となっています。

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リストの住んでいたアパルトマン


ピアノ曲集《旅人のアルバム》に含まれる『ジュネーブの鐘』の初期稿は娘のブランディーヌに捧げられた、穏やかな安らぎに満ちた曲です。
今は《巡礼の年第一年スイス》の最終曲として演奏されるこの曲。冒頭に奏される6つの単音を聴くと、超個人的なセンチメンタルな感情とともに懐かしさが込み上げてきます。この6つの単音は、旧市街の真ん中にそびえるサン・ピエール大聖堂のカリヨンが、時を告げるときに奏でる音で、旧市街に住んでいたリストは、きっと飽きるほどこの音を聞いていたに違いありません。

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          サン・ピエール大聖堂


ちなみに私がいたころ、サン・ピエールでは夏にカリヨンのコンサートが開かれました。(今もやっているのかな?)
教会前の広場に椅子を並べて鑑賞?するのですが、何せカリヨンは見えるわけでもなし、散歩がてらぶらぶらしながら聴いた記憶があります。カリヨンは通常自動で鳴らしていますが、コンサートの時にはオルガニストが演奏します! 私は弾けませんが…っていうより経験したことがありませんが…
また、サン・ピエールにはカルヴァンが説教した説教壇があります。結構過激な宗教改革者のいた教会ですから、地味〜でくら〜い、おも〜いイメージの教会です。(こんなこと言うと叱られるかしらん?)

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サン・ピエールのメッツラー社のオルガン これで最終リサイタル試験をしました。プログラム最後はリストの大曲、アド・ノスでした。


ところで、ジュネーブの旧市街には、ジュネーブ人のお金持ちが住んでいる一角があります。ビバリーヒルズのように大豪邸が立ち並んでいるわけでもなく、狭い旧市街の石畳に沿って並ぶアパルトマンがその場所で、教えられなければ全く気づくことはありません。彼らはカルヴァン主義を実践している人々で、富を蓄えながらひっそりと質素な暮らしをしているらしいのです。(と、師匠が教えてくれました) いかん、いかん、リストの話から脱線してしまった。


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          旧市街の中心、ブール・ド・フール広場


ジュネーブ音楽院150周年記念の年、運良く?学生をしていた私は、とても興味深いものを目にする機会を得ました。
1836年当時のリストが採点した採点表や、オネゲルのパシフィック231の(確か)自筆譜、ストラビンスキーの火の鳥のこれも(たぶん)自筆譜etc.
この音楽院の図書館は数百点に及ぶ自筆譜や手稿譜を所蔵しているところで、普段は目にすることのできないこれらの貴重な資料を学内展示していました。20歳そこそこのプロフェッサー、リストの採点表は特段のオーラを放つわけではなかったけれど、時代を経て同じ校舎に立っていることに、当時、不思議な感覚を覚えたことを記憶しています。

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          ジュネーブ音楽院



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