“I love you”は『愛していてよ』

 チョコレート屋さんのかき入れ時がやってきました。
別にそれを狙っているわけではありませんが、職場での『義理チョコ』はどうもエビ・タイになる傾向があるような、ないような…
 
 ジュネーブ時代、お世話になったスイスの方に、おいしいチョコレート屋さんのハート型のプラリネを差し上げたことがあります。でも、ヴァレンタインデーにチョコレートを贈る習慣のない地ですから、何の感慨もなく「あっ、ハート型のチョコだ」と言って、黙々とおやつに一緒にいただいただけでした。(´・ω・`) 


 古い話で恐縮ですが、高校時代の一冊のサイド・リーダー、J.ベルヌの『Around the World in 80 Days 80日間世界一周』。
 
 ロンドンのクラブで80日で世界一周ができるかどうか賭けをしたPhileas Fogg(フィレアス・フォッグ)氏が、従者Passepartout(パスパルトゥ)を率いて世界を巡る旅に出るという、映画にもなった有名な小説です。映画のテーマ曲は今でも色々なところで使われているので、きっっとすぐにそれと分かると思います。
 
 授業では一年かけて順番に訳していきましたが、私が担当することになったのは…
 81日ぶりにようやく戻りついたロンドン。そして賭けに負けたと思い込み意気消沈していたFogg氏。(本当は、日付変更線を失念していただけっだったのですが…) インドで命を助けられ旅に同行したAouda(アウダ)姫は、そんな彼に求婚して愛を告白する。
 純真な(?)高校生にはちょっと気恥ずかしい場面でした。

 私はAoudaの“I love you”を『愛していてよ』と訳しました。なんとなくAouda姫がそう言っているように聞こえたからなのですが、この言い回しが可笑しかったのかクラスのみんなに吹き出されてしまいました。でも自分から求婚する女性、しかもそれがお姫さまとくればそういう言い回しをしても不思議はないといまだに思っているのですが…

愛をこめて “LOVE” by Natsuko

 “I love you” ひとつを取っても、日本語はその言葉を発する人が男性か女性か、どんな人柄か、どういう社会的な立場の人なのかetc.で色々な言い回しが可能です。逆に言えば、言い回しからその言葉を発する人が見えるといっても良いのかもしれません。ただ、最近はユニセックス化なのか女性の言葉と男性の言葉がだんだん近づいてきて(女性が男性の言葉に近づいてきたと言うべきか)声を聞かなければ分からないことも多い気がします。

 言葉は生き物で常に変化していくものですが、日本語のこんな表現力は大切にしたいもののひとつだと感じます。

 ところで、従者のPassepartout(パスパルトゥ)。本当に変な名前ですが、これはマスターキー、つまり『どこでもドア』のように世界各国を自由に出入りできる意味でもある気がします。(国連で働いていたルームメートもレセパセ Laisser-passerという通行許可証を持っていました!) つまりFogg氏はPassepartoutを持って(連れて)いたので世界中を旅できたということなのでしょうか?

 それからFoggさん、あなたは“Les Voyages de M.Philéas Fogg”(フィレア・フォッグ氏の旅行)というコラムで未だに世界中を旅しているのをご存知ですか?

 現在のフォッグ氏の正体はスイスのギー・ボヴェというオルガニスト。スイス・フランス語圏のオルガン専門誌で演奏旅行の日記を書いています。

 1872年、つまり今から130年以上も前に書かれた小説はこんな形で今も人々の心に生きているのですね。




 
 



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